まっけん内科クリニック

内科・循環器内科・心療内科
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今週のコラム

第5回:睡眠について①不眠症

2023-07-26

眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠の問題があり、そのせいで日中に体のだるさ、意欲・集中力の低下、食欲低下、抑うつ気分、頭痛、めまいなどの心身の不調が出現する病気です。

心配事に頭を悩ませてなかなか寝つけなかったり、仕事上の重要な会議や自信がない定期試験への不安感から太陽が出るよりも早く目が覚めてしまったり、といった経験は誰しもあるでしょうが、時の経過とともにまた十分な睡眠が得られるようになることが多いです。

しかし長期にわたり不眠が続くと、眠れないことへの不安が強まり不眠恐怖が生じたり、眠ることへの緊張感が出現したり、睡眠状態へのこだわりから睡眠障害がますます悪化するという悪循環に陥ってしまうケースがあります。睡眠不足は、判断力を鈍らせ思わぬ事故につながったり、高血圧・心臓病・脳卒中・肥満などの生活習慣病になりやすいとも言われています。

睡眠トラブルの原因はストレスや精神・身体疾患、アルコールや薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。睡眠のことで困ったら、まずはかかりつけ医に現在の睡眠状態について相談してみることをお勧めします。あるいはお近くの精神科、心療内科の医師に相談するとよいでしょう。


○身体疾患や精神疾患に合併した不眠

下のような身体・精神疾患では、睡眠障害が出現することがあります。

1. 痛み:頭痛、腰痛、関節痛、神経痛
2. 痒み:アトピー性皮膚炎、蕁麻疹
3. 発熱:感染症、膠原病
4. 循環器疾患:心不全、高血圧、不整脈
5. 消化器疾患:腹痛、下痢、悪心・嘔吐
6. 胸焼け:逆流性食道炎
7. 夜間頻尿:前立腺肥大症
8. せき・息苦しさ:肺炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息
9. 精神疾患:不安神経症、うつ病、双極性障害、統合失調症

この他にも脳血管障害や肝・腎不全、糖尿病なども睡眠障害をきたしうると言われています。不眠がこれらの病気によるものであれば、疾患そのものへの対処をしていくことが先決です。


○飲食物・薬の副作用による不眠

酒を飲まないと眠れないと感じている方もいると思います。しかし、睡眠前にアルコールを摂ると、脳の活動量が低下することで寝付きはよくなる反面、眠りが浅くなり睡眠の質はむしろ低下すると言われています。またコーヒーや緑茶などに含まれるカフェイン、煙草のニコチンは脳を覚醒させるため、睡眠障害の原因となりうるでしょう。またカフェインには利尿作用もあり、夜間にトイレに起きることで睡眠の質・量に影響を及ぼします。

また、薬の副作用により睡眠障害をきたす方もいます。具体的にはステロイド、インターフェロン、抗パーキンソン病薬、抗うつ薬、降圧薬、甲状腺治療薬、ぜん息薬などがあります。これらの薬を服用している方で睡眠障害にお困りの方は、まず医師に相談してみてください。


○不眠症の対処法

一に様々な不眠の原因を検索し、その原因を取り除くことです。それに加え、適切な睡眠習慣を身につけることが効果的です。

・朝は朝日を浴びて、メラトニンの分泌を促しましょう。
朝に日光を浴びると、その15時間前後でメラトニンという眠気を誘うホルモンが分泌されて、夜に自然な眠気が生じてきます。例えば朝8時に出勤する方であれば、午後11時頃に分泌されるメラトニンに合わせて就寝することをお勧めします。また、就寝前に強い光(スマホなど)を浴びるとメラトニンの分泌量が減少し、眠気がなくなってしまうので、就寝30分前には寝室の照明は暗くするとよいでしょう。

・適度な運動や入浴をしましょう。
ほどよい肉体疲労は心地よい眠りに直結します。夕方、仕事終わりに家のまわりを散歩する程度でも構いません。無理のない範囲で体を動かす習慣を作るのが大切です。入浴はぬるめの温度で体の表面だけを温めるようにします。体の深部まで温めてしまうと交感神経優位となって寝つきが悪くなることがあります。

・無理に寝ようとしすぎないようにしましょう。
思うように寝付けなかったり、途中で覚醒しても焦らずに目を閉じて身体を休めるようにします。それだけでも睡眠効果の8割は達成されると言われています。

以上、それでも眠れない方・睡眠に関してお困りの方は遠慮せずに当クリニックへお越しください。睡眠に関わる生活上のアドバイスや、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬の処方含め相談に乗りますので、適切な対処法を一緒に模索しましょう。