BZ系抗不安薬・睡眠薬を過去に内服したことがある方、現在も内服している方は多いと思います。
このくすりは抑制性の神経伝達物質であるGABAを増やし、頭をボーッとさせることで、鎮静、抗けいれん、抗不安作用をもたらします。
内服すると、すぐに多幸感や安心感が得られるため、これは効くという成功体験が依存を生じさせ、長期間にわたり継続すると同じ量では満足が得られなくなる耐性が起こり、さらにくすりの量が増えていきます。
そして、いざ内服を止めようとすると、くすりによって保たれていた心身のバランスが崩れ、さまざまな自律神経症状を引き起こします。例としては、頭痛、めまい、呼吸困難、喉の閉塞感、吐き気、下痢、便秘、手足のしびれなどの身体的な症状と、不安、焦燥、悲観、不眠、無為などの精神的な症状があります。
これらを離脱症状と言います。
また、レム睡眠(脳は眠っていて体は起きている状態)を減少させるため、日中酷使した脳の疲れが睡眠で十分に癒やされず、翌日以降に脳のダメージが蓄積していくことで、認知症のリスクが高まることも報告されています。
さらに、けいれんを抑える筋弛緩作用(筋肉が緩む)も有するため、とくに高齢者で転倒のリスクが高くなり、大腿骨頚部骨折や腰椎圧迫骨折などで入院したり手術するケースも多く見られます。
このような背景から、欧米では三週間以上の処方を禁止しており、厳しく取り締まられつつある中、このくすりを漫然と処方し続けているのは日本とインドぐらいだそうです。
このくすりを止めようかなと思い始めている方、止めようとしているがなかなかうまくいかない方は、当クリニックがしっかりとサポートしてまいりますので、お気軽にご相談下さい。